ご採用までのプロセス
箱の中の温度は次の4つのファクターで変化します。
- ①外気温
- ②箱の断熱性
- ③保冷剤・蓄熱剤の選定
- ④貨物の特性
温度を設計するには①と④を所与の条件とした上、過不足にならない②と③を決めること
になります。以下に、設計からご採用までの手順を示します。
STEP:01設計条件の確定
ご使用になる環境や輸送条件を特定し、輸送時の外部温度、輸送時間、許容温度、必要有効内寸(貨物の大きさ)を決めます。また、保冷剤を凍結させたり、蓄熱剤を調温させる設備の有無も確認させて頂きます。
設計条件
- ①外気温の設定
- ②許容温度(上限・下限温度)
- ③必要時間
- ④貨物の大きさ
- ⑤保冷剤・蓄熱剤の使用環境
STEP:02設計
STEP1の条件を満たす保冷(保温)ボックスのスペックと保冷剤・蓄熱剤の選定を行います。
設計
- ①ボックスのスペック(気密性・遮熱性・断熱性)
- ②保冷剤・蓄熱剤の選定(融点・必要量・配置)
STEP:03見積もり
ボックスと保冷剤・蓄熱剤の値段を算出します。
ご予算以内になっているか、ご確認ください。
見積もり
- ①ボックスの値段
- ②保冷剤・蓄熱剤の値段
STEP:04試作・実験
実際に試作し、設計条件を満たしているかどうか、温度実験を行い、確認します。
STEP:05仕様確定
設計条件を満たすボックスと保冷剤・蓄熱剤のスペックを確定させます。
仕様確定
- ①ボックスのスペック(気密性・遮熱性・断熱性)
- ②保冷剤・蓄熱剤の選定(融点・必要量・配置)
STEP:06導入(納品)
仕様通りに量産し、納品させて頂きます。
導入
ワコンならではのプロセス
定温輸送ボックスの設計
定温輸送ボックスを設計することは、ボックスと保冷剤・蓄熱剤の組み合わせを決めることです。ボックスの性能は、断熱材の種類と厚み、気密性、遮熱性に左右されます。
保冷剤・蓄熱剤は融点の種類、数量、配置を決めなければいけません。
つまり、定温輸送ボックスの設計とは、無数にある組み合わせの選択肢から最適なものを選ぶということです。その過程では、いくつかの選択肢に絞り込み、必要な温度条件、輸送条件を満たすことができるかどうかの検証をしなければいけません。その検証方法が的確でなければ誤った選択をしてしまいます。
定温輸送ボックスの
設計
ボックスの性能を決める断熱材の種類と厚み/気密性/遮熱性
保冷剤・蓄熱剤を決める融点の種類/数量/配置
ワコンならではの設計プロセスは、一般的なボックス開発プロセスと大きく違う点は、高性能に温度を予測できる「温熱解析シミュレーション」を使用している点です。「温熱解析シミュレーション」を使用することで、早く、安心して開発を行うことができます。
温熱解析シミュレーション
箱内温度の変化を的確に検証する方法として、ワコンは「温熱解析シミュレーション」というソフトを開発しました。「温熱解析シミュレーション」は、多くの保冷ボックスメーカーが使用している従来の計算式よりも、精度を高く結果を導き出せます。
一般的な計算式では、箱内温度が一定である前提で保冷剤(蓄熱剤)の数量を計算します。しかし、箱内温度は常に一定であることはありえません。箱内温度が変わればボックスに流入する熱量が変わるので、一般的な計算式には矛盾が出てきます。さらに、保冷剤の配置が全く考慮されておらず、保冷剤を塊で置く場合と薄く広く置く場合で、箱内温度は大きく変わっていくことが考慮されていません。 ワコンの温熱解析シミュレーションでは、温度に影響を与えるすべてのファクターを入力した上で、刻々と変化する箱内温度を出力する計算式になっており、精度高く予測できます。